部品交換編

ようやくシャーシを下ろす事が出来たので、消耗品の交換を行う。

転ばぬ先の杖、初手でしっかりと手間をかけておけば数年はメンテしなくて済む。

 

ツインリバーブのシャーシ。

ジャック、耐圧の小さい電解などは交換してある。中古の銀パネをメンテして売ってある店は少ない。

値段の割にはよく手が入っている方だと思われる。

中古楽器なんか売りっぱなしのほったらかしも珍しくない。

 

 

ごちゃごちゃしてるように見えるが回路図と照らし合わせるとそんなに難しくない。

ただし空中配線が多くてウンザリである。

そして臭い。

手が強烈にヤニ臭い。

トランスの底がべたべたする。

こんなモンありがたがって買う人間の気が知れない。

熱の問題かベーク版の質が悪いのか反りたくっている。その内割れるてえらい目喰うんだろう。

61年製のコンサートは反り等ないので面食らう。

余りに熱に弱いようなら裏のパネルを作り直して吸排気のファンを付けなくてはいけない。

安定化電源を作るのがメンドクサイのでAC100Vで動くファンが欲しい。

61年製コンサート

下は15年ほどノートラブルのコンサートである。手を入れすぎて歴史的価値がほぼ消滅している。

一度6l6が焦げた事があるが、前のオーナーがバイアスを弄っていたらしい。

より歪ませたかったそうだが、フェンダーの6l6の歪みは汚いのでおススメではない。

今回はこのアンプと同じ仕様にしていく。

平滑コンデンサ交換、整流用のダイオード交換、C電源用のコンデンサ交換、真空管ソケット交換、フィルムコンデンサ交換、スイッチ類の交換をする予定。

歴史的価値を貶めていく。



部品発注

某通販専門店にて部品を発注。15時位までに注文を入れると大概その日の内に発送してくれる。

ここ10年以上お世話になっている。あとカード決済に対応してくれれば言う事無しである。

シャーシを下ろして一息付くと丁度部品が届くのである。

思い付き作業である。この後すぐに計画性が大切であると痛いほど思い知らされるのである。

今回交換する為に購入した部品。

電源周りの電解コンデンサ、抵抗、真空管ソケット。

スイッチ、フィルムコンデンサ類は壊れてもそんなにダメージが無いので後回しである。

一番大事なのは電源関係。

電源周りのトラブルは高くつくのである。

部品代は8000円。チリツモ。

真空管アンプは財布への経済的負担がデカい。

 

一番簡単なC電源のコンデンサを交換する。

ダイオードは前回交換済みである。

50uFが2個ついているが耐圧も容量も同じなのに若干大きさが違う。

アメリカ人の適当さが表れている。

同時にソケットも交換する。

スタンバイスイッチを入れる時の突入電源でここの1.5kの抵抗がよく焼けるので定格の高いものに交換する。

12ax7用のソケットも交換する。

全部で6個。

1つ300円程度だがチリツモで財布への負担がデカい。

ちょっと高品質な部品にしようとすると地味に高価い。


ソケット交換

素人修理で大切な事は1つづつ確実に行う事である。

まず一番左のソケットを交換する。

一気に全部のハンダを取らない事。

交換用ソケットに抵抗を付けておく。

個々の抵抗は定格を大きめにしてある。

標準の定格1wでも正しく使えば問題ないだろが、大きい物は精神的に安心感がある。

今回は3wの部品。1個数十円。


配線を全部外していく。

必ず配線の元々の結線とソケットのピン番号はメモっておかないといけない。

今回はヒーター配線に色を塗って判別出来るようにした。

作業のコツは横着しない事。

早速取り付けようとしたら穴に入らない。発注ミスである。

穴を広げるか部品を取り直すかの天秤。

穴を10個も広げるのはめんどくさいので部品発注。

オクタルソケット 取り付け穴径25㎜ 取り付け穴ピット39㎜

9ピンソケット 取り付け穴系19.5㎜ 取り付け穴ピッチ 28.5㎜ の部品を再度注文。

時は金なりと言い聞かせるのである。真空管アンプは財布への金銭的負担がデカい。


電解コンデンサー交換

発注ミスというムックさんばりの無能ぶりを披露したが、気を取り直して電解コンデンサーの交換を行う。

大体ノイズが大きい古いアンプはココが弱っている。

フェンダーアンプは結構静かである。

C電源用の電解の交換。

基板に1個、空中配線されている物が1個。

 

ハンダを4か所やり替えるだけなのですぐ終わる。音に影響は無いと言えば無い。

安定して使える事が兵器システムの根幹なのである。


平滑コンデンサー交換

B電源用の整流用の電解コンデンサーを交換する。

シャーシをひっくり返すと蓋がついているのでそれを外す。

恐らくお店が交換してたのかだろうか?比較的新しい物に交換してある。

オリジナルの値は左の2個が70uF/350v。右の3個は22uF/450v~600v位の物だが、100uF/450vと33uF/450vに交換してあった。

容量を上げると何か効果があるか分からない為一度オリジナルの値に戻しておく。こちらの方がよければまた交換する予定。

同じ向きに同じ部品が3つ付いてるだけなのでどんどん外す。

流石のムックさんでもこんな簡単な事は間違えないのですぞ。

ムックさんでも出来る作業なのでどんどん外していく。

奥の二個は向きが互い違いになっているので注意が必要。

 


コンデンサ
コンデンサ

電解コンデンサーの交換完了。

抵抗も定格の大きなものに交換。

電源周りはこれで当分トラブルはないだろう。

数百円ケチって真空管やトランスが飛ぶと目も当てられない。

トランスが飛んでもハモンドマーキュリーウェーバーあたりで交換用トランスは買える。

電源トランス 125P34A

アウトプットトランス 125A29A 

アウトプットトランスが飛んだらインピーダンスを8Ωと4Ωの切り替えタップがついたものを選ぶとスピーカー1発での稼働が出来るので可搬性が上がるだろう。

フィンガージョイントなんかに拘らなければ箱は簡単に作れるのである。

トランスが飛んだら新しくヘッド用の箱と小さい10インチのスピーカー用の箱作ればちょっとしたセッションなんかにツインリバーブ持っていける気がする。

画像は300wヘッドを買ったものの受けれるキャビネットを所有していなかった為自作した箱である。

スピーカーは15インチ。思ったより良く鳴る。

バスレフポートはvu50の配管。

サブロクの材料一枚で作れる。確かw450 D600 H600くらいだったはず。もう少し小さいかも。

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